姫は冷血王子の所有物
「そうか?お前、もしかして俺を堅物かなんかと勘違いしてないか?」
「えっ、あ、いや…。」
「俺は別に普通に飲むし、酔うとそれなりにはしゃぐし、コンビニなんてしょっちゅうだぞ?」
「えっ?そ、そうだったんですか⁉︎」
「そこまで驚くほど意外だったか?」
「だ、だって部長はもっと仕事できるエリートで、人を見下している、怖い人だと…。」
プッ!
突然隣で何かを吹き出したような音がした。
「ハッハッハ。俺がそんなに硬いやつに見えてたのかよ。」
「え、あ、はい…。」
(…だって、あんなに怖い顔してたじゃない。)
「俺は確かに仕事は真面目だけど、それ以外は別だぞ?仕事だって、できればあんなに怖い顔したくはないけど、立場上そういう訳にもいかないしな。」
「そ、そうだったんですか…。」
あまりにも意外な答えに、驚きを隠せない。
(あんなに怖い顔してたのも、立場のせいだったんだ…。)
部長のイメージが途端に塗り替えられていく。