姫は冷血王子の所有物

「さて、で、何食べる?」









「あっ!えっと…。」









(こういう時って、どうすればいいんだろう…?普通にいつも食べるやつにしたほうがいいのかな?あっ、でも部長に合わせたほうがいい?)











「どうした?」










悶々としていると、ずっと黙っているのをおかしく思ったのか、部長がこちらを覗き込んでいた。








パチリと至近距離で目があって、ドキリと心臓が跳ねる。









「あっ、えっと、こ、これにしますっ‼︎」








適当に指をさして、慌てて部長から離れる。








「ん?これか?こんなんでいいのか?」









「はっはい。私、それが好きで…。」








自分が何をさしたかも分からずに、ただ火照った顔を隠すようにそっぽを向く。


< 36 / 143 >

この作品をシェア

pagetop