姫は冷血王子の所有物
「食事代も追加。」
出てきた瞬間に手を差し出して、冷たい眼差しを送る。
当の本人は苦笑いで、ごめんごめんって繰り返してる。
スッと中を覗き見ると、男性3人と同じ部署の神原さんがいた。
神原さんは確か彼氏に振られて、この間泣き喚いていたはずだ。
(なるほど。神原さんのための合コン会だったわけか。)
「おっ!君が姫歌ちゃん?噂通りかわいいね〜‼︎」
1人の男性がこっちに寄ってきた。
「は、はぁ…。」
(噂ってなんだよ…。)
やっぱり、合コンは苦手だ。
知らない男の人と話さなければならない。
こんなの生き地獄としか言いようがない。