姫は冷血王子の所有物
「えっと…高坂姫歌です。よろしくお願いします?」
とりあえず自己紹介をして、席に座る。
すると、馴れ馴れしくさっきの男の人が隣に座ってきた。
「ね、姫歌ちゃんさ。そんなにかわいいのに彼氏いないの?」
「…まぁ。」
「えー、もったいないよっ‼︎どう?俺彼氏に立候補したいなー。」
「え、遠慮します…。」
「えぇ⁉︎酷いなぁ…。」
はっきり断ると、隣の男性はへこみながらも、耳のそばに口を寄せて、
「俺さ、君らの会社の取引相手の会社の社員でさ。実は社長の息子だったりするんだけど…。」
ーーーーー断るなら、君らの会社、潰しちゃうかもよ?
こっそりとこちらに耳打ちしてきた。
(…こいつ、脅してるの?)