姫は冷血王子の所有物
にこやかな顔をした二人は、もちろん原田先輩と夏実。
そして、言うまでなく、不機嫌なのは私と榊原部長。
こんなカフェには似合わない顔だ。
「…。」
さっきから、場を和ませようと、奮闘する夏実だけど、そんなのは効果なし。
私も嫌いな部長と一緒のランチなんてごめんだ。
「翔樹も僕も彼女なしなんだよ。」
そうやって、フォローを入れる原田先輩。
こういうところが、モテるとこなんだろうなぁと、密かに思う。
「そうなんですか⁉︎てっきり2人とも彼女持ちかと…。」
「そんなことないよ。それより、2人の方が彼氏とかいそうだけど?」
ピクッ。
少し肩が動く。
そんなこと聞かないでよ。
余計なこと言うなぁ。
「私たちもいないですよ。」
「そーなの⁉︎意外だなぁ!これは、チャンスだね、翔樹。」
「…なんで俺に振る。」