姫は冷血王子の所有物
榊原部長ってそういうの興味なさそうだなぁ。
なんとなく、そう思って、部長の顔を盗み見る。
相変わらず、嫌味かっていうほど顔が整っていて、腹が立つ。
普段はあんなに鬼みたいなのに。
「榊原部長は、彼女欲しいとかないんですか?」
「…興味ない。」
あ、やっぱり。
予想が当たって、なんとなく納得。
恋愛とか仕事の邪魔みたいに考えてそうだもんなぁ。
「えぇ⁉︎彼女は大事ですよ⁉︎」
「残念だけど、翔樹は、そーゆーの本当に興味ないんだよ。」
そう言って苦笑する原田先輩。
なんか、本当に真逆って感じなんだなぁ、この2人。
「…そろそろ戻るか。」
「そうですね。」
そういう話題にはすかさず同意する私。
サッサッと帰ろうと、支度をし始める。
「えぇ⁉︎まだ大丈夫ですよー!」
名残惜しそうに、不満を言う夏実だけど、仕事があるのは分かっているから、手は帰る準備を始めてる。
そんなこんなで、私たちは賑やかな食事を終えた。