これが私の王子様

「和人……悪い」

「何かあったら、協力するよ」

 二人を信頼しているからこそ、このように一方的に騒ぎ立てられても怒ることはしない。

 それに薫と直樹もノリで盛り上がっていたが、嫌がっている和人をこれ以上困らせることはしない。

 三人は、同時に周囲を見回す。

 やはり、先程の騒がしさが続いていた。

「これ、どうするんだ?」

「知らない」

「僕は、関わりたくない」

 薫の指摘に、和人と直樹は横を向いてしまう。

 この騒ぎは、遊行がはじまる前まで続く。

 やっと治まったのは、教師の「いい加減にしろ」という言葉。

 事が沈静化したことに三人は安堵の表情を浮かべるが、これまた同時に溜息が漏れる。

 最初は「またか」と女子生徒達の反応を横に流していたが、ゆかと出会った今「またか」で済まされる問題ではない。

 このまま彼女達の暴走を許し続けていたら、事件に発展してしまう可能性が考えられる。
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