これが私の王子様

 詩織に学校を案内して貰った時もそうだが、このように学校に食堂が設置されていることにゆかは驚きを隠せない。

 彼女にとって昼食は、友人同士机を合わせて食べたり、人によってはお気に入りの場所に行くものと考えていた。

 しかし、ここ青藍高校は違う。

 立派過ぎる――という言葉が似合う食堂が存在し、巨大な窓ガラスからは暖かな陽光が差し込んでいる。

 また全体的に落ち着いた色で統一され「都会のお洒落なカフェ」といっても差支えない。

 ただ、唯一違うのはこの場所で食事をしている人達。

 同じ年代の者達が同じ色の制服を纏い、賑やかにお喋りをしている。この光景から、この場所が学校の食堂だと教えてくれた。

「えーっと、もう来ているかしら。三人のことだから、遅刻ってことはないと思うけど……」

 詩織は食堂を見渡し三人がいるか確認するが、どうやら先に到着してしまったらしく、まだ三人の姿はない。

 それにもし三人がいたとしたら、それはそれで別の意味で賑やかになっているだろう。

「なら、席確保しないと」

「あそこ、空いているわ」

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