T&Y in神戸
「、待ったか?」
由香利の前に立ち、お決まりの台詞を吐く。
「っ、たあちゃん!!」
パッと弾かれたように顔を上げて、笑みを浮かべる由香利。
途端に、由香利の手元のモバイルが小さな音を立てていた。
「あ~」
落胆した声を上げて、再びモバイルに視線を落とす由香利。
釣られて、画面を覗き込むと、ニャーニャーと声を上げながら積み上げられた猫が落ちていく。
「面白かった。」
後で一緒にしよ、と由香利はモバイルをしまった。
「ゲーム、か?」
「うん、ネコをね、積んで高さを競うの。」
「……。」
「私は五十匹位しか積めないんだけど、」
「猫を、五十匹…」
実際、一匹辺り三キロとしても、五十匹で約百五十キローーー当然下の猫は生きていないだろ。
それ以前に、猫は積めないーーー、か。
「行こうか。」
ツッコミと、笑いを押さえて由香利をキャリーバックから立たせた。
「楽しみだね。」
キャリーバックと由香利の手を取り歩き出すと、物陰から発せられていた眼光も失せた。
由香利とふたりきりの小さな旅行。
安西も、ジジイも岸もいない。
「ドキドキするね。」
『俺も』と答える代わりに繋いだ手に力を込めた。
由香利の前に立ち、お決まりの台詞を吐く。
「っ、たあちゃん!!」
パッと弾かれたように顔を上げて、笑みを浮かべる由香利。
途端に、由香利の手元のモバイルが小さな音を立てていた。
「あ~」
落胆した声を上げて、再びモバイルに視線を落とす由香利。
釣られて、画面を覗き込むと、ニャーニャーと声を上げながら積み上げられた猫が落ちていく。
「面白かった。」
後で一緒にしよ、と由香利はモバイルをしまった。
「ゲーム、か?」
「うん、ネコをね、積んで高さを競うの。」
「……。」
「私は五十匹位しか積めないんだけど、」
「猫を、五十匹…」
実際、一匹辺り三キロとしても、五十匹で約百五十キローーー当然下の猫は生きていないだろ。
それ以前に、猫は積めないーーー、か。
「行こうか。」
ツッコミと、笑いを押さえて由香利をキャリーバックから立たせた。
「楽しみだね。」
キャリーバックと由香利の手を取り歩き出すと、物陰から発せられていた眼光も失せた。
由香利とふたりきりの小さな旅行。
安西も、ジジイも岸もいない。
「ドキドキするね。」
『俺も』と答える代わりに繋いだ手に力を込めた。