T&Y in神戸
その可愛らしさに、誰にも見せたくないと、胸がチリチリと痛む。
アブナイ独占欲に苦笑するも束の間、皿を手にキョロキョロと辺りを見渡し、空いた席を探す由香利。


一一一やっぱり説明を聞いちゃいない。
目を離すとコレだ。

「ーーー。」
と、少し離れた所で数人の男ばかりの集団が由香利を見つめていた。

ヤバいと思った通り、その内の1人が由香利に視線を向けたまま距離を詰めて来る。

「ちっ」
「たあちゃん?」

盛大な舌打ちに、由香利は驚いたように俺を見上げた。

「席が一杯だから係の人が案内すると言われただろ。」
何でこんなに無防備なんだ。

「……そう、だっけ?」
ごめんなさいと、由香利は目を伏せた。

「……。」
由香利の腕を掴み、向かってくる野郎に視線で威嚇するれば、へらリと笑い戻って行く。

ーーー油断も隙もない。

「たあちゃん……」
「お待たせいたしました。どうぞこちらへーーー」

タイミング良くテーブルに誘導される。

「行こうか。」

前を向いたまま、由香利に手を差し出すと。

「……。」

無言のまま手を取る。

面白くない気配に振り返ると、ごめんなさいと繰り返した。

「ーーー怒ってねえよ?」
繋がった手をしっかりと握ると、由香利も握り返してくれる。
「……うん。」

手を引いて係の後に着いた。





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