食卓
『…さあ。死んだんじゃない?』

脱線事故なんかで

人ってくたばるのかな、

なんて思いながら

私は適当に答えて。



お姉ちゃんは考え顔で。



『遺体の身元確認って、

持ち物でするのかな?』


『そうじゃない?』

私はやっぱり適当に答えて。



お姉ちゃんは、

確かに笑った。

ふふ、と。

短く。




『私、ママの再婚相手

嫌いなんだよね』


『うん、知ってる。

お姉ちゃんいつも不機嫌だし。

まあ私もだけど』


『家出しよっと』



中学生か。



そう思ったけど

お姉ちゃんは続けた。


『うまくいけば

私は死んだことになってさ。

やべ、天才じゃね?』




小学生か。



そう思った。
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