食卓
「いただきます」


父親の号令で、

私とママは手を合わせた。



ママは笑顔で。

私はふて腐れて。





父親は、箸を動かしながら

第一球を投げた。



「…今日は、仕事どうだった」


右カーブ。

明らかにボール。

こんな球に手を出す馬鹿はいない。




「別に」



私は振らない。

当たり前だ。
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