食卓
時間が止まる。

「…」

「…」


ママは時計を見て、

ため息をついた。



父親は、咳払いをひとつ。

私は鮭をつついた。




父親の目が、私をとらえる。

【なんか言えよ】



私は目をそらす。

【あんたの仕事。夫でしょ】



父親はため息をつく。

「…なぁ、幸子?」



ママは、笑顔で父親の方を見た。

「なぁに、あなた」

「…ミサキはなぁ…

もう…帰ってこない…んだ」





ママは、首をかしげた。

「…??」

父親は、意を決したように

口を開いた。







「ミサキは…死んだんだ」
< 4 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop