食卓
メロンパン
段ボールの要塞の前に立ち、

ふっ、と息を吐く。

押し潰されそうな程

大きな切なさを

私はあえて無視した。


「お邪魔します…」


お姉ちゃんは

寝転がった状態で

私を見上げた。


「カナコか。なに?」


少し、カチンときた。


「なにって、

ほら、食料」



差し出された

メロンパンを見て、

お姉ちゃんは

ああ、と口を開いた。



「さっきさ、

食べちゃったんだよね、

焼きそば。

それ、いらないや。

また今度頼むわ」
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