食卓
「幸子!?」
「ママっ!!」



とっさに立ち上がる。

玄関のドアが閉まる音が

聞こえた。


「あぁ…あァ…

俺は…俺は…っ」



この状況下では

誰をも責めることはできない。

私も、

お父さんも、

ママも、

悪くない。




悪くないからこそ。



「幸子…幸子ぉ…」

「いいから追いかけよッ!!」





だからこそ

この状況は最悪だった。
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