Ray






すると瑛ちゃんはフワッと私を抱きしめた。


「 ……ここは、俺を傷つけたって思ってるけど、違うから……俺はここと付き合って良かったと思ってる……だからここも…… 」


……最後まで優しすぎるよ瑛ちゃん。


こんな優しい瑛ちゃんは私には勿体無い……


私は瑛ちゃんの制服のシャツをぎゅっと握って呟いた。


「 ……私も、瑛ちゃんと付き合えてよかった 」


後悔はしないよ。すごくいい経験ができたと思う。


「 ……今までありがとう……ここ 」


そして瑛ちゃんは私の体を離して顔を隠しながら出口に向かった。


……っ。さよなら、瑛ちゃん……


瑛ちゃんの背中を見て心の中でそっと呟く。




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