愛なんてない
里美さんが値引いてくれてたとしても、たぶん数万はするはず。
そんな大金をわたしは服に使えない。
京はどういうつもりでこのお店にわたしを連れてきたんだろう?
確かにお兄ちゃんの結婚パーティーは知り合いや仕事先の上司が顔をそろえるから、妹のわたしがきちんとした格好をしなくちゃいけないけど。
それでも今日のためにそれなりに用意はしてきた。
でも、里美さんのセンスはやっぱりすごい。
わたしは自分が準備した白地に水玉のワンピースが子どもっぽく恥ずかしく思えた。