愛なんてない
「葵…………」
京は確かにそう呼んだ。
葵……
だれ?
沈み込む気持ちとともに、熱かった体が急速に冷えてゆくのを感じた。
京はまだ繋がったまま、わたしを抱きしめている。
たぶん、無意識に出た譫言だ。
関係ない……じゃない。
京が誰かを好きなんてあたりまえだ。
今まで考えなくても承知してたはずでしょ?
わたしに京の女性関係に口出しする権利はない。
けど……
どうしてこんなに胸が痛むんだろう?