愛なんてない
求婚
……あれ?
わたしは微睡みから目覚めて戸惑った。
すっかり暗くなった外に、見慣れた景色の国語科準備室。
わたし……いつの間にここへ来たの?
肌寒く感じてブルッと体を震わせれば、自分がジャケット一枚しか羽織ってない現実に目を丸くした。
いったいどうして? 京はどこにいるの?
とりあえず着るものがないか探して床に落ちた制服を手にすると、ドアが開く音がしてビクッと体を強ばらせた。
「望月、起きたか。寒いならエアコン点けるがどうする?」