愛なんてない
「こら、なに人の勝手に食ってやがる」
当然ながら抗議してきた京に、わたしはふふんと澄まし顔で答えた。
「京、時間かけすぎ。カップめんはパリパリの方が美味しいじゃない」
麺類は固めが好きなわたしは主張する。
「そっか? インスタントは伸びた方がうまいだろ」
全く相容れない意見の2人だから、もちろん食べ終わった時間は違ってて。
「ごちそうさまでした!」
わたしは立ち上がって京に手を差し出した。
「ラーメンの汁捨ててくるね」
「ああ、頼む」