愛なんてない
腕の傷から血が流れ続けていることにやっと気付いた。
血は雨を染め上げて、水たまりがもはや真っ赤な血の池となっていた。
「弥生……弥生――っ!」
俺が名前を呼んで体を揺すっても、弥生の目はガラスのように虚空を見つめるだけで、体は人形のように抵抗なくガクガクと揺れるだけ。
――!!
弥生、弥生っ!!
俺はネクタイやタオルで弥生の手首を縛って血を止めようとした。
だが、止まらない。
弥生の体からどんどんぬくもりが失われる。
ちくしょう!