愛なんてない
だが―――。
頬に触れて、その冷たさに違和感を感じた。
異様に冷たい。
「弥生……?」
俺は呼びかけてみた。
雨で濡れてこんなに冷えてしまったなら、早く温めないと。
「ったく……ドジなやつ」
そう呟いて抱き上げようと脇に腕を差し入れて、左手が持ち上がった瞬間。
「……!!」
真っ赤に染まった弥生のスエットが見えた。
「なんだよこれ……」
俺は弥生の左手を急いで見て絶句した。
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