愛なんてない
「相良先生、おはようございます!」
学校に向かう校門前、元気がいい挨拶をしてくるのは、麻美。
俺はなるべく穏やかな笑みを浮かべ、麻美に挨拶した。
「おはようございます宮内先生。そろそろ産休を取られるんですよね?」
そう。
弥生の親友の麻美は意外にも教師となり、俺と同じ学校で歴史を教えている。
教師2年目に高校時代から付き合ってたカレシと結婚した。
今は2人目の子を妊娠中だ。
かなり大きくなったお腹を撫で、よっこらしょと言いながら旦那が運転する車から降りる。