愛なんてない
――そして11年後現在。
「お、き、ろ~~お兄ちゃん!!」
わたしはお兄ちゃんの部屋に入り、ベッドに近づいて布団をひっぺがした。
季節は3月。
暦の上は春だし真昼は暖かいけど、早朝は冷え込む時もある。
特にわたし達の住む地域は山の近くだけあり、遅くまで霜が降りる。
田舎だし不便な地元だけど、わたしはここから離れるのが嫌だった。
だから親が亡くなっても無理を言ってお兄ちゃんに残ってもらった。
以来わたしはお兄ちゃんとずっとこの町で暮らして来たのだけど、それもこの春卒業する。
なぜなら……。