小説家


その三年後、大好きなおばあちゃんもいなくなってしまった。老衰だった。

私は、本当に孤独(ひとり)になってしまった。







その後は親戚の家を転々として暮らしていた。

親戚の叔父さんと叔母さんは私を嫌っている。…望まない子供だったから。

私が中学に上がる頃、このマンションのこの一室と沢山のお金が入った通帳を渡して家から追い出したのだ。

以来ずっと家事も勉強も何もかもを一人でこなしてきた。

ひとりで。

…ずっと。






ずっと泣いていたあの頃の自分はもういない。

泣いてたって何も変わりゃしない。

現実を受け止めたあの日から、少しは成長できたのかな…。

それもこれも、

あの小説のおかげなのだ――



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