小説家
私が先生の小説に出会ったのは中学2年生 。

当時仲の良かった司書の『天野先生』にふと聞いた言葉がきっかけ。

その頃から私は小説を読むのが大好きで、放課後になると必ずと言っていいほど毎日図書室へ行き、本を読んでいた。

その日も同じように図書室にいた。

《ねー先生》

《なあに?桜田さん》

《なーんかこう今までの小説にない感じの終わり方をする小説ってないのー?》

《え?》

《ここにある本とかもそうだけど、なんかつまんないってかしっくりこないってゆうか…。確かにいい本ばかりだけど…読んで最後に力になる本ってこう…ないのかね》

《うーん…とても難しいリクエストねぇ…》

《そうかぁー。あ、じゃあ先生が今まで読んだ中で最高というか心に残った本ってか、教えてよ!》

《え、いいの?私好みだし、気に入るかどうか…》

《いいのいいの!先生が勧める本、なかなか好きなんだよね》

《あらほんと?…そうねえじゃあ…》

《これなんかどうかしら?》

手渡された本ー…

《「少年Pの冒険新書」》

著者.榊 悠

《さかき…ゆう…?》

初めて見た

《初めて見た、この名前…》

《そうなの?お気に召すかはわからないけど、最近その人売れてるのよー。タイトルはありきたりそうな物語なんだけどね?先生その作品を読んでからはもうその人の小説に釘付け!熱いものを感じるの。その著者の物語に含まれてるメッセージに。》

先生の絶賛の一作ならば間違いはないな

《先生がそこまでいうなんて…相当なんだねえ》
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