カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「どのサンプルを試したいと訊かれたら?これかな??」


私は煮詰まり、右往左往している逸希に助け舟を出す。


「サンプル3?」



「これからの季節。お肌の乾燥が気になるから…保湿性の高いサンプル3がいい」


「季節的な考え方か…まぁ―莉那の意見は合理的だし、サンプル3を押してみようか・・・」


逸希はサンプル3のボトルを手にして納得した表情を見せる。

暗かった逸希の顔に明るさが見えてホッとした。


「ちゃんとトライアルポーチまで持ってんだ。今夜は泊まるよな」


「え、あ・・・まぁ」


「お前の肌でサンプル3の保湿性を試そうか?」


「ええ~っ!!?」


「少し位仕事に楽しみもないとな」


私をモルモットにしないでよ!!

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