カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「私、退職届書くわ」


私達は距離を作って、互いに見つめ合った。


「莉…那?」



「転職するにはいい機会かもしれない」



「お前…新規事業部に本当に行きたかったんだな」


「そうね。事業部の仕事は本当にしたかった」


私は素直に吐露した。


「俺が悪いのか?」


「逸希は悪くない。誰も責める気はないわ」


最近の私は仕事に身が入っていなかった。会社の躍進を賭けたプロジェクトに精を出す逸希が羨ましかった。
私は逸希に嫉妬までしていた。


「後悔はしないのか?」


「このまま…永久就職しろと言わないの?」

このまま…逸希のお嫁さんになって、寿退社する方がいいかな?
その方が周囲の目も温かいかもしれない。



「言いたいけど、…新たに転職して仕事に遣り甲斐を求めようとするお前のキモチを汲みたい。でも、俺のそばに居て欲しいと思う」


「逸希・・・」


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