カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~

逸希side-

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「急にゴメンなさい…逸希」


「お前の彼氏役をするのは今夜限りだからな」

「今夜限りでいいわよ」

「相手は?」


「最上階のスイートルームでお待ちよ」


「スイートルーム!!?」


「下心ありありでしょ?それに、世の中のオンナは皆自分に惚れると思ってるナルシストでさ。困るのよね」


俺と麻生は話をしながらエレベーターホールへと向かう。丁度タイミング良く停止して、扉の開いたエレベーターに飛び乗って最上階のスイートを目指した。



「相手の名前は?」



「藤ヶ谷冬弥(フジガヤトウヤ)27歳。アパレルメーカー『ブラックベリー』の副社長」


「『ブラックベリー』の御曹司かよ」


「そうよ。御曹司って本当に嫌な感じ」


「そう言うお前だって…令嬢だろ?」


「そうだけど…私は謙虚よ。御曹司と言うだけで、傲慢で…嫌になっちゃう」



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