カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
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「会社説明会以来です」


麻生の母親・濱部副社長に会いに『星凛堂』本社に足を運んだ。

地下の駐車場に社用車を停めに行った夏目さんに代わり、私が受付でアポの確認を取った。

受付嬢がエレベーターで幹部フロアまで案内してくれた。


「最上階直通か…麻生には会えないな…」

藤ヶ谷副社長は口惜しそうにポツリと呟いた。


最上階直通のエレベーターが停まった。


硝子張りの向うに見えるのは沢山のビル群。


「こちらでお待ちください」


「ありがとうございます」


私は案内してくれた受付嬢にお礼を言った。


「濱部副社長は娘がいいと言うなら結婚してもいいと言ったんだ」


「でも、麻生には結婚する気ないんでしょ?」


「…それが問題で…」


「押してダメなら引いてみるとか・・・」


「引く?」


ドアを開けて、濱部副社長が入って来た。


藤ヶ谷副社長はネクタイのノットを弄り、キモチを切り替える。







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