カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
「それはそうだけど・・・」


「あの日の夜から幼なじみに戻り、今日からは会社の同僚だ。よろしくな。莉那」


あの夜のあられもない姿で抱き合ったシーンが脳裏を過り、カァーと顔が逆上せたように赤く上気する。


「朝から…Hだな。莉那」


「べ、別に・・・」


私は逸希をジロリと睨み据えた。


「不謹慎な言動だった。以後気を付けますよ。植野チーフ」


逸希の声音には少々皮肉が込められているが、私は軽く流してデスクの上に置かれた書類に目を通す。


「俺は何をすればいいのかな?」


「とりあえず、朝礼で自己紹介お願いします」


「自己紹介か…何を言えばいいかな?」


「いちいち、私に訊かないでよ!」



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