これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「ん……はぁ……っ」

 ん? 彼女の様子がおかしい?

 慌てて唇を離すと「はぁはぁ」と息を荒げていた。

 どうやらうまく呼吸ができなかったみたいだ。

 それにも気が付かずに……さすがにがっつきすぎだろ俺。

「悪かった。つい夢中になって」

 髪を撫でると嬉しそうに俺に笑顔を向けてきた。

「私の名前……もう一度、恵って呼んでください」

 ただ名前を呼んだけだ。確かに意識して“恵”と呼んだ。それだけのことがそこまで彼女を笑顔にするなんて思ってもいなかった。

「恵……好きだ」

 目尻にキスを落としながらささやくと、俺の背中に回されていた手に力がこもる。恥ずかしそうに俺の胸に顔をうずめると消え入りそうな声で言った。

「私も好きです。勇矢さん」

 甘い声が俺の耳に届いたとき、俺はもう一度彼女の唇に自分のそれを重ねていた。

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