これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
 何度か勇矢さんのマンションを訪れていたが、寝室に入るのは初めてだ。

 そっと優しくベッドへと横たえられた。真っ暗だった部屋に灯りがともる。

 フロアライトを勇矢さんが付けたのだった。ほんのりと暖かい光が部屋の一部を照らし出す。

「それ、こっちに貸してくれる?」

 そういえば、私まだ彼の眼鏡持ったままだった。差し出された手にそっと彼の眼鏡をおく。薄明りの中彼の動きの一挙手一投足が気になってしかたない。

 このままベッドに横になっていていいのかな?それとも一度体を起こしたほうがいい?

 あっ!それよりもシャワー……朝、シャワーを浴びたが一日うろうろした体だ。“そうなる”前にシャワーを浴びるのが礼儀というものだろう。

 体を起こそうとすると、優しく肩を押されてまたベッドへと戻された。

「どこに行くつもり?」

 眼鏡のない勇矢さんを見るのは初めてじゃない。でも見慣れていない上に今はフロアランプの灯りだけで照らされているので、さらりと揺れる前髪や、高い鼻に影ができていてそれが余計に胸のドキドキを加速させる。

「あの……シャワーを浴びたいなと思って」

 私の言葉などは気にしないとでもいうように、首筋に顔をうずめてきた。

「ン……ダメで……す」

 首筋にを舌から撫でる様にされると抗議の声も途切れ途切れになってしまう。

「どうして? こんなにいい香りがするのに。このまま恵のこと俺のものにしたい」
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