これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
そんな俺の心の内を察したのか、彼女が慌てて否定する。

「ち、違うんです。あの私お仕事はじめたばかりで、あまりお金がなくて」

「なんだそんなこと」

俺と食事が嫌だとかそういうことじゃないんだ。

安心した自分の心を慌てて否定する。

別にどうしても彼女と食事がしたいわけじゃないぞ、ただ少し気になるだけだ。

自分に言い訳をしていると彼女が駅の外を指さした。


「あの、あのお店でもいいですか?」

そこには、全国どこにでもあるハンバーガーショップがあった。

高校生のカップルが仲良く手をつないで店に入っていくのが見えた。

「あそこなら、大丈夫です!さぁ行きましょう」

彼女は俺の返事など待たずに、俺の手をひいて歩き始めてしまう。

「本当にあそこでいいのですか?」

金曜の夜の食事(しかも男と一緒)なのに、よりにもよってハンバーガーショップ。

普通このくらいの年頃の女の子ならば、イタリアンだのフレンチだのそういう店がいいじゃないのか?
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