これが恋というものかしら?~眼鏡課長と甘い恋~【完】
「いいですよ。少しの時間なら。ただし私はワインを飲んだので送っていけません。必ずタクシーで帰ると約束してください」
 


「いいんですか?」

 それまで沈んでいた表情がぱぁっと明るくなる。

 本当に正直な人だと思う。そしてそんな隠し事のできない彼女を好ましく思う。

「そんなに残念そうな顔をされては、断れません。さぁ、時間があまりありませんから急ぎましょう」

「はいっ!」

 まるで幼子のような元気の良い返事に安堵する。

 子猫の存在が彼女を笑顔にした。今はそれでいい。

 いつかはその役目を俺がしたい。

 そんなことを思っているということを、彼女に悟られないように少し前を歩いた。
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