ハートロッカー
約束の1週間は、明日。

あたしは思った。

「そうだ…。

逃げよう…」

彼から逃げるしかない。

どこか遠くへ逃げて、逃げて…とにかく逃げよう。

学校へ持って行っているカバンから教科書や筆記用具を取り出し、机の引き出しに全部入れた。

カバンの中に3日分の下着と着替えを入れた。

それが終わると、
「そうだ、お金」

財布を開けて中身の確認をする。

5000円札が1枚入っていただけだった。

「これじゃあ、安いホテルにも泊まれないじゃない…」

何より、逃げるための交通費とかもいろいろ必要だって言うのに…。

途方に暮れかけていたそのとたん、あたしの頭の中にあるお金が浮かんだ。
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