スイートな御曹司と愛されルームシェア
翔太が出て行った不安に追い打ちを掛けるように、ラッキーが死んだ日の記憶が蘇ってきて、目に涙がじわじわとにじんできた。ラッキーが死んだのは咲良が高校二年生の秋だった。咲良の家に来て十二年になるラッキーは、人間で言えばもうすでにおばあさんだった。散歩に出てもゆっくりしか歩けないし、激しい運動もしなくなったが、それでも変わらず家族の一員として暮らしていた。咲良のベッドの下で寝ていたラッキーが、その日は朝になってもいつものように吠えなかった。怪訝に思って咲良がラッキーの首を抱えると、それは冷たくて重かった。夜のうちに息を引き取っていたらしい。
ずっと一緒にいようね、と何度話しかけたことか。それでも、犬の方が寿命が短いのだから、別れが来るのは当然だった。だが、それが、そんなふうに突然訪れるとは思ってもみなかったのだ。
(なによ、翔太くんまで突然いなくなることないじゃない)
咲良は顔を洗うと、気持ちを奮い立たせるように何度も頬を叩いた。
ずっと一緒にいようね、と何度話しかけたことか。それでも、犬の方が寿命が短いのだから、別れが来るのは当然だった。だが、それが、そんなふうに突然訪れるとは思ってもみなかったのだ。
(なによ、翔太くんまで突然いなくなることないじゃない)
咲良は顔を洗うと、気持ちを奮い立たせるように何度も頬を叩いた。