スイートな御曹司と愛されルームシェア
それから二週間、咲良は仕事が終わると、毎日まっすぐ帰宅した。マンションのエントランスから見上げては、五階の自分の部屋に明かりが灯っていないか確認するのだが、そのたびに失望した。それでも、電気がついていないのは、翔太が待ちくたびれて寝ているからかも、と淡い期待を捨てきれず、エレベーターで部屋へと急ぐ。だが、暗く冷えた部屋に足を踏み入れるやいなや、その期待は見事に霧散し、孤独を募らせていくのだった。
毎日同じことを繰り返しているのに、まったく学習していないようで、咲良は今日もがっくりと肩を落とし、失望のため息をついた。
(翔太くんってばいったいどこに行ったんだろう。仕事もないはずなのに……)
お腹を空かせているんじゃないか、寝るところはあるんだろうか。そんな心配をして苦笑する。
(彼は犬じゃなくて人間なんだから)
でも、これだけ音沙汰がないと心配になる。〝今度は笑顔で会えますように〟とメッセージに書かれていたのだから、また会えるはず。そう自分に言い聞かせたが、湧き上がってくる不安を押さえ込めない。
(誰かほかの人に拾われたのかな……。私よりも優しくて面倒見が良くて、怒ったり喚いたりしない人……)