スイートな御曹司と愛されルームシェア
(TDって……そうか、どうして今まで気づかなかったんだろう)
咲良は知らず知らず苦笑していた。自分が講義で使う参考書にはTD出版のものもあったのに、そのTDが翔太の働いていた株式会社TDホールディングスとはまったくつながらなかったのだ。
(私って意外と視野が狭いのね。でも、もう関係ないか……)
小さく肩をすくめてパソコンをシャットダウンしようとしたとき、今日は英進会ゼミナールとの打ち合わせで一日留守だった恭平が戻ってきた。「お帰りなさい」と声を掛けると、青ざめた顔の恭平が職員室を見渡して言った。
「終業時間間際に申し訳ないが、フランチャイズ化のことで、緊急会議を開きたい」
恭平の焦った声を聞きながらも、もう私には関係ないことだ、と咲良はバッグを肩に掛けて立ち上がった。今日付で退職になる自分が出席する必要は当然ないだろう、と思ったのに、恭平が咲良に言う。
「岡崎先生もいてください」
「どうしてですか? 私は……」
「先生にも関係することなんです」
恭平の言葉に咲良は眉を寄せながらも腰を下ろした。恭平は職員室の扉を閉めて、予定表が書かれているホワイトボードの前に立った。
咲良は知らず知らず苦笑していた。自分が講義で使う参考書にはTD出版のものもあったのに、そのTDが翔太の働いていた株式会社TDホールディングスとはまったくつながらなかったのだ。
(私って意外と視野が狭いのね。でも、もう関係ないか……)
小さく肩をすくめてパソコンをシャットダウンしようとしたとき、今日は英進会ゼミナールとの打ち合わせで一日留守だった恭平が戻ってきた。「お帰りなさい」と声を掛けると、青ざめた顔の恭平が職員室を見渡して言った。
「終業時間間際に申し訳ないが、フランチャイズ化のことで、緊急会議を開きたい」
恭平の焦った声を聞きながらも、もう私には関係ないことだ、と咲良はバッグを肩に掛けて立ち上がった。今日付で退職になる自分が出席する必要は当然ないだろう、と思ったのに、恭平が咲良に言う。
「岡崎先生もいてください」
「どうしてですか? 私は……」
「先生にも関係することなんです」
恭平の言葉に咲良は眉を寄せながらも腰を下ろした。恭平は職員室の扉を閉めて、予定表が書かれているホワイトボードの前に立った。