スイートな御曹司と愛されルームシェア
「今日一番訊きたかったのはね、あなたが恭平くんのことを本気で好きかどうかってことなの。戸田創太の話では……あなたが妊娠して恭平くんと結婚することになったから、英進会はその代償として、〝すべての株式を手に入れた〟んだって」

 咲良の言葉に果穂はしばらく考えるように黙っていたが、やがてぽつりと言った。

「私は塾よりも恭平さんが欲しかった」

 それは低い声に似合わない情熱的な言葉だった。咲良は続きを促すように果穂を見た。

「私、実は恭平さんと岡崎先生はお付き合いしているのかなって思ってたんです」

 果穂の言葉に、咲良は目を見開いた。

「どうして?」
「だって、二人で遅くまで残ったりして、誰よりも親密そうだったから。恭平さんと岡崎先生は、なんて言うか……男女を越えたパートナーのようで、うらやましかった。顔を見合わせて視線を交わすだけで、お互いの考えを理解している。そんなふうに見えたんです……」
「まさに男女を越えていたんだけどね」

 咲良は皮肉っぽい笑みを浮かべてつぶやいた。
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