スイートな御曹司と愛されルームシェア
「きょ、恭平さんのことも、すぐに好きになってしまいました。だから伯父には、創智学院はとてもすばらしい塾だから、つぶさないでほしい、できれば吸収もしないでほしい、と伝えました。でも」
「でも?」
「伯父は英進会の部下の誰か――将来有望な男性――と私を結婚させたいと思っていたようです。創智学院を傘下に収めるのは、私や私の両親のためでもあるって言って、私のお願いは聞いてもらえませんでした……」
「あなたのご両親は? いくら伯父でも姪の結婚相手を決めるんだから、普通あなたのご両親に相談しない?」

 咲良の問いかけに果穂は首を振って、弱々しい声で答える。

「伯父は英進会ゼミナールの理事長なんです。私の父は副理事長で、兄である伯父にいろいろと依存しているんです。もちろん金銭面でも……」
「だから、伯父さんの言いなりになってるの?」

 少し言い方が悪かったかな、と咲良が思ったとき、果穂が小さく笑った。

「岡崎先生はいつも歯に衣着せませんよね」
「まあね」

 咲良は小さく舌を出した。だからといって、言いたいことをすべて言えているわけじゃないけれど、と思う。

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