スイートな御曹司と愛されルームシェア
「TDホールディングスの副社長がどこまで酌んでくれるかはわからないけど、私は翔太くんの枷(かせ)を一つでも少なくしたいの」
「なぜ咲良さんがそこまで彼のために犠牲になるんだ?」
恭平の言葉に、この人は本当に鈍いんだから、と咲良は内心苦笑した。
「言わないとわからない?」
恭平が小さく息を呑んだ。
「えっと、それはつまり……咲良さんは彼のことが……?」
咲良はにっこり笑って退職届を恭平に差し出した。
「だから、これを受理してください」
恭平はその白い封筒と咲良の顔をしばらく交互に見ていたが、やがて言った。
「――わかった。咲良さんの気持ちを尊重するよ」
彼が受け取ってくれたので、咲良はホッと肩の力を抜いた。
「ありがとう」
「一緒に創智学院を立ち上げたときは、こんなことになるなんて想像すらしなかったよ……」
恭平がため息をついて、手の中の封筒を見つめた。
「そうね……」
いつか恭平くんと両想いになれたら、とは思ったのに、玉砕したあげく、ほかの男のために退職する自分の姿など、想像したことはない。
含み笑いをする咲良を見て、恭平が念を押すような口調で言う。
「咲良さんは本当に……本当にこれでいいの?」
恭平の言葉に、咲良はしっかりとうなずく。
「なぜ咲良さんがそこまで彼のために犠牲になるんだ?」
恭平の言葉に、この人は本当に鈍いんだから、と咲良は内心苦笑した。
「言わないとわからない?」
恭平が小さく息を呑んだ。
「えっと、それはつまり……咲良さんは彼のことが……?」
咲良はにっこり笑って退職届を恭平に差し出した。
「だから、これを受理してください」
恭平はその白い封筒と咲良の顔をしばらく交互に見ていたが、やがて言った。
「――わかった。咲良さんの気持ちを尊重するよ」
彼が受け取ってくれたので、咲良はホッと肩の力を抜いた。
「ありがとう」
「一緒に創智学院を立ち上げたときは、こんなことになるなんて想像すらしなかったよ……」
恭平がため息をついて、手の中の封筒を見つめた。
「そうね……」
いつか恭平くんと両想いになれたら、とは思ったのに、玉砕したあげく、ほかの男のために退職する自分の姿など、想像したことはない。
含み笑いをする咲良を見て、恭平が念を押すような口調で言う。
「咲良さんは本当に……本当にこれでいいの?」
恭平の言葉に、咲良はしっかりとうなずく。