スイートな御曹司と愛されルームシェア
「資格のあるなしは問題じゃないの。私は頼ってきた人を放っておけないお節介女なのよ」

 翔太の手から力が抜け、彼がうつむいたままぽつりと言う。

「咲良さんはお人好しですね」
「好意的な言い方ね。いつもは〝うざい〟とか〝鬱陶しい〟とか言われるわよ」

 翔太が小さく笑って、ようやく咲良の方を見た。どこか迷っているようにも悩んでいるようにも見えるその表情はとても切なげで、胸が締めつけられる。彼はきっと咲良には想像もできないような思いを抱えているに違いない。

「がんばって生きてきたんだね」

 思わず翔太の頭を撫でると、咲良の背中に彼の手が回され、あっと思ったときにはギュッと抱きしめられていた。翔太の腕の力はとても強くて、息ができない。

「ちょっ、翔太くん、苦しい」

 咲良のあえぐような声に、翔太があわてて腕を解いた。

「すみません。咲良さんの言葉がとても嬉しくて」

 そう言って彼が浮かべた笑みはとても淡く、今にも消えてしまいそうだ。

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