スイートな御曹司と愛されルームシェア

　シャワーを浴びて部屋に戻ると、翔太はソファに座って大人しくテレビを見ていた。咲良が髪をタオルで拭きながら部屋に入ってきたのを見て、テレビを消して立ち上がる。

「じゃあ、次は俺の番ですね」

　そう言うといきなりシャツのボタンを外し始めた。Ｖネックシャツの襟からキレイな鎖骨が見えて、ドキッとしてしまう。

「ちょっと、どこで脱いでるのよ」
「え？　ここで脱いじゃダメなんですか？」
「ダメに決まってるでしょう！」

　咲良は翔太の背中を押して部屋から追い出し、「忘れてるわよ！」と着替えの入ったカジュアルウェア・ショップの袋を投げた。実家から帰宅する途中に閉店間際のショップで買ったものだ。

「裸で戻ってきたら承知しないからねっ」
「咲良さんは愛犬に服を着せるタイプでしたか？」
「え？　ラッキーに着せたことはないわ」

　突然話題を変えられて戸惑う咲良に、彼は真顔で言う。

「ということは、ラッキーはいつも素っ裸だったんですよね？」
「そ、それはそうだけど」

　口ごもる咲良を見て、翔太が意味ありげに笑う。