秘密の館
階段を降りて、食卓へ向かうとお爺ちゃんはパンをひとつまみ、口に入れながら言った。
「海斗や。早くしないと、遅刻するぞい」
「あっ。そう言えば......そうだった」
ボサついた髪を触りながら彼は言った。
......そうだ。
父さんが退院するまでの間は、別の学校で生活をするんだった。
どうして、こんな事をうっかり忘れていたのだろう?
そうして食卓に座り、朝食をとる。
朝食を素早く食べ尽くすと、立ち上がり言った。
「それじゃあ、行ってきます」