秘密の館
............驚いたような表情を浮かべながら
図書室の外へ来ると美紀さんの姿に気
が付き、何故か彼はビクッとしていた。
「....あ、あぁ。美紀さん。
こんばんは、面白い本がないか探していた
所です。なかなか良い図書室でしたよ。」
なんだか、誤魔化したような言い方だ。
そして、部屋へと明は戻って行ったのだ......
......。
「あの日の明君の様子、何だかおかしかっ
たわ。....だけど、私が知っているのはそれ
だけよ。」
「........そうか。でも、ありがとう。
兄さんの行方の一歩に少しは近づけたかも
しれないからさ。」
「そうね。」
その一言を言うと彼女は部屋から出て行っ
た。
「真美ー、起きろー!。」
「うーん........。」
真美は、両目を擦りながらベッドから上半身を起こした。
「朝食が出来てるから、支度が出来たら来い....だって。」
「ふーん。」
そう呟くと、真美は隣にある自分の部屋へ戻って服を着替えようと、ベッドから抜け出してオンボロドアを開けると、真美は海斗の部屋から出て行った。
海斗は、それを確認すると、衣装ケースのチャックを開けて、着る服を選び始めた。
「....さてと。」
海斗は、白のTシャツにジーンズといった、極シンプルな服を取り出した。