金魚鉢越しの空




 葬式は簡単な物だった。

 元々親族とは疎遠になっていたため、知らない顔ばかりだったし少人数で小さな葬式だった。
 添えられた花もぼんぼりも小さく、少なく。式も誰が取り繕ってくれたのかもよく分からず過ぎ去った。

 一人になった嶺人は知らない親戚に引き取られた。
 暗く引き籠る事が多く、いるだけで家の空気が暗くなると別な所へ。

 また知らない親戚に引き取られた。
 夜の泣き声が煩いと別な所へ。

 知らない人に引き取られた。
 気を使って笑うようになったら、気味が悪いと別な所へ。

 知らない人に引き取られた。
 中学は荒れに荒れ、学校で問題になり転校と一緒に別な所へ。

 そんな事を沢山繰り返して、今はどこの誰に生活を支えてもらっているのか分からない状態になった。




  これまでがいままでの自分。




 そして時は流れて高校1年の秋。
 高校入学からお世話になった、もう親戚かも分からない老夫婦の元からまた別な所へと移り住む事になった。





  ここからはこれからの話。




< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

太陽の家へ

総文字数/0

青春・友情0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ここは太陽の家。 あなたもここで幸せに...。
君と話がしたくて

総文字数/2,568

恋愛(ラブコメ)4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
 収録が終わって外に出るとそこら中イルミネーションだらけ。  降る雪に光が反射してキラキラする中に君はちり紙を配っていた。 【君と話がしたくて】  俺は君の声も姿も中身にも一目惚れ。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop