クロスストーリー
「…」

自分のナイフはやや大きすぎたので、キッチンから小型のものを持ってくると先ほどと同じように血を垂らす。

回転が鈍っていくにつれ大小の針は何かに操られるようにゆっくりとあるべき個所を指していく。

「お前は属性が『雷』でー…タイプはー…?あれ?」

なんだこりゃ?と言った反応にカミヤは困惑した表情になる。
だがそれはルゥも同じだったようだ。

「…なんか大きい方の針が中途半端なとこで止まってるな」

「…故障かな、こんなの見たことないけど」

この羅針盤という装置、形状はルーレットに似ている。
それを参考に言うのなら、マスとマスの丁度中間で針が止まっているのだ。

「…ま、才能はあるみたいだから良いんじゃね?」

「適当か。」

「うん。」

所詮他人事なんだろう。
軽く流されたことに苦笑するがまぁこちらとしてもピンとこない。
相手はただの記憶喪失と思っているようだがこちらとしては魔法の才能があることの方が驚きなのだ。

「じゃー俺帰るから、さっきも言ったけど学園では俺に話しかけんなよ?」

「さっきも思ったけどなんで?」

「なんでも。」
< 40 / 63 >

この作品をシェア

pagetop