クロスストーリー
「…そりゃ納得できないよ、理由になってない」

「…はぁ~。」

よほど説明するのが嫌らしい。
だがあの学園長よりはこの子の方がこれから先遥かに話す機会は増えるだろう
その為にもなるべく彼を理解したかった。

「…特待生の権利は知ってる?」

「あぁ…たしか“下の階級の人を従わせられる”…だっけ?」

「そ、俺とお前は同じ階級だけど、俺の周りはそうじゃない
嫌いなんだよ、人の目。」

「…」

人の目…それは多分病院であったような奇異や畏怖の目なのだろう。
言い終わった時のルゥは酷く冷たい目をしていた。
その場ではそれ以上何も言えず、ルゥもまた用が済んだとばかりに部屋を出て行ってしまう。

あらかじめ用意されていた従者用の部屋にあるベットに横になると、ドアの隙間からユナもその横に腰を下ろした。

「…寂しい…眼だったな。」

窓から見える景色は、いくつもの建物が並び、とても一学園には見えない
学園…都市と言った方が正しいのだろうか?
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