コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
片霧家の男子は皆(遼はどうだかわからないが)、この思春期特有の悩みにぶち当たる。


大家族ゆえに、家じゃ兄弟がいてイチャイチャしてる暇はない。

しかも、エロ本やなんかの類は例によって処分される始末。

そういう知識すらまともに得られないわけだ。よく凪と泣いたよ。

許されるのは妄想だけという、なんて可哀相な俺らのシシュンキ……。



『兄ちゃん、縁がウチに泊まりに来た時も何もしなかったわけ?』

「当たり前だろ。紳士なんだよ俺は」

『すげー。尊敬』

「生殺し状態だったけどな」



初めて縁が泊まりに来たクリスマスなんて、どれだけ我慢したことか。

あの時を思い出して苦笑いしていると、脱衣所のドアが開く音がして俺も声をひそめる。



「翔、キスは雰囲気でしてもいいけど、それ以上のことはちゃんと色んな準備が整ってからにしろよ」

『おぉ、なんか深い!』

「とにかく彼女は大事にすること。いいな」

『ラジャ!』

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